睡眠負債15兆円? 世界一眠らない国、日本の抱える睡眠負債から、睡眠と私たちの健康の関係
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。
最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか?
日本人の平均睡眠時間は先進国中でも群を抜いて短いと言われています。経済協力開発機構(OECD)の国際比較調査によると、日本人の平均睡眠時間は加盟国中で最も短く、日本人の睡眠不足による経済損失は年間約15兆円にも上るそうです。
アメリカ国立睡眠財団によると、成人に推奨される睡眠時間は7〜9時間ですが、日本では睡眠時間が6時間未満の人が約40%にものぼります。6時間未満の睡眠が日中のパフォーマンスに与える影響については、複数のデータが示されています。ペンシルバニア大学の研究チームによると、6時間睡眠を1週間〜10日間続けると、1晩徹夜した人と同程度の認知能力低下が見られ、2週間続けると2晩徹夜した人と同じ認知能力にまで低下することが明らかになりました。6時間未満の睡眠が常態化している人は、自分では十分眠っていると思いがちですが、脳のパフォーマンスは確実に低下しており、本来の能力を発揮できていない可能性が高いです。
このような状況を踏まえ、私たちは睡眠の質を高め、充分な休息を取ることの重要性を再認識する必要があります。十分な睡眠は、単に体を休めるだけでなく、脳の機能を維持し、日中のパフォーマンスを最適化するために不可欠です。睡眠負債を減らし、健康を維持するためには、良質な睡眠を確保する生活習慣の構築が求められます。経済的損失を減らすだけでなく、私たちの健康と生活の質を向上させるためにも、睡眠に関する意識改革が必要です。